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「国家不渡りの日」の脚本家オム・ソンミンが語る「映画を書いた理由」

「国家不渡りの日」の脚本家オム・ソンミンが語る「映画を書いた理由」

Posted December. 08, 2018 07:35,   

Updated December. 08, 2018 07:35

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映画「国家不渡りの日」は、韓国芸術総合学校映像院専門士課程の卒業文集に掲載されたオム・ソンミン作家(33)のシナリオからスタートした。高麗(コリョ)大学統計学を卒業したオム作家は、「国際通貨基金(IMF)の影響を受けて育った世代として、あの時代を扱った映画を書きたかったし、非公開対策チームの存在を書いた記事が手がかりになって執筆することになった」と語った。オム作家を6日に会って、シナリオの誕生過程について聞いた。

――通貨危機を素材にシナリオを書いた具体的なきっかけがあるか?

「10代の時に通貨危機を経験した。父も『韓国経済に危機はない』という政府の言葉を信じて、事業を営んで苦労した。IMFの時に厳しい時間を送って自責する人々に、あなたのせいではないんだよという労いの言葉をかけたかった」

――取材に使ったデータは何だったのか。

「外国為替大乱特別委員会の国政調査報告書や三星(サムスン)経済研究所が出した『IMF事態の原因と教訓』といった経済研究所出版の書籍や個人の手記、1997年1月から11月までの日刊紙の記事など、可能な限り多くの記録を探した。企業家が取締役と取締役会を区別できないシーンは銀行員の手記から、金融マンでのユン・ジョンハクが『女性時代』というラジオ番組の葉書でプレゼンテーションをするシーンは、孫淑(ソン・スク)氏がインタビューで『通貨危機直前に経済事情が悪いというエピソードが不思議なほど多かった』と明らかにしたことを参考にした」

――直接取材もしたのか?

「事業に失敗した方々に会った。この過程で、『誰も信じるな』というガプスの最後のセリフが生まれた。草稿を完成した後、映画会社で専門家に相談した」

――映画に様々な階層の人物を登場させた理由は?

「すべての人たちの苦しみを入れなければならないと考えた。危機を回避しようとした人物(ハン・シヒョン)を最初に設定して、危機に投資する人物(ユン・ジョンハク)、危機を知らず難しい選択をした人(ガプス)をセッティングした」

――財政局次官(チョ・ウジン)はキャラクターが断片的だという意見もあるが。

「そう見ることもできる。ただ、外国為替大乱特委の報告書と当時のマスコミが行った経済チームに対する批判のレベルとさほど変わらないと思う。国民の怒りと切なさを映画に盛り込もうとしたもので、特定人物を悪魔化しようと意図したものではない」

――ハン・シヒョンを女性に設定したことが注目を集めた。

「ハン・シヒョンは徹底的に映画的想像力から出たキャラクターだ。皆経済は丈夫だと主張する時、少数意見を出さなければならないので、普遍性を脱した人物だと思ったし、その結果、自然に女性になった」

――公開時点が絶妙だ。

「学生の卒業作品だ(笑)。映画に作られるとは思わなかったし、公開時期も予測できなかった。本当は1997年に何があったのかということよりも、再び苦しまないためにはどうすべきかについての議論が行われることを願っている」

――物語の流れが躓いた時、どのように突破したのか?

「暗かった雰囲気を感じたいと思って、写真やドキュメンタリーを探して見た。飲食店で価格割引をした定食メニューを『カムドシュ定食』として出した写真や、経済事情が厳しくなった親が捨てた『IMF孤児』の話を見た。痛みを共感しようとした」

――映画公開後の感想はどうか?

「時間があれば毎日映画館に行って反応を聞くけど、観客のほとんどが自分の記憶について語る。その話を通じて再び学んでおり、次の作品も現実に根ざした物語として準備している」


金民 kimmin@donga.com