Go to contents

韓国社会の人間性教育システムを振り返らせる仁川暴行事件

韓国社会の人間性教育システムを振り返らせる仁川暴行事件

Posted November. 20, 2018 08:25,   

Updated November. 20, 2018 08:25

한국어

今月13日、仁川(インチョン)のマンションの屋上で中学生が、同じ学年の生徒4人に集団暴行を受けて転落死した事件は衝撃的だ。ロシア国籍の母親を持つ多文化家庭の14歳の少年は、幼い頃から友人から継続的に集団いじめを受けてきたという。加害者の一人が、死亡した少年から奪ったダウンジャケットを着て警察に出頭したという事実が確認され、国民的憤怒が出ている。インターネットの掲示板には、「うちの息子を殺した。そのダウンジャケットもうちの息子のものだ」という文を掲載したロシア人の母親の心情がどうだったのか、推し量ることさえ難しい。

おない年の中学生に対する加害者たちの暴行は残酷だった。彼らは13日午前2時、少年を公園に呼び出して、跪いて助けてくれと哀願するのに、2時間も血が出るまで殴った。彼らはここで終わらず、同日午後5時頃、再び少年を連れてきて、屋上から転落する直前まで1時間20分以上も残酷に殴打した。現場で捕まった加害者たちは、反省どころか逮捕当時は暴行事実を全面否認したまま、自殺を引き止めたと供述したが、警察で防犯カメラの映像を見た後、暴行を認めたという。

今回の事件は、被害者が多文化家庭の子どもという点でも、なおさら胸が痛い。亡くなった少年が社会的少数者ということを悪用して、加害者たちは、普段から被害者の家を勝手に出入りしながら、勝手に間食を注文しては食べ、使い走りをさせたという。昨年小中高校の多文化児童生徒は、前年より10%以上増えて、初めて10万人を突破したが、彼らの学業中断率は一般児童生徒より4倍以上も高い。彼らが偏見といじめのような交友関係の困難を克服できるように、学校や地域社会の関心と支援が切実だ。

仁川(インチョン)小学生殺人、釜山(プサン)女子中学生集団暴行事件などに続く今回の事件は、ますます凶悪になっている10代の犯罪と共に、社会システムを振り返らせている。次々と繰り返される少年犯罪の凶悪化現象を嘆くだけではなく、積極的な対策を立てなければならない。思春期には、他人への共感能力と正しい価値観を植えつける人格教育が不可欠だ。しかし、家庭でも学校でも、子どもたちを成績や入試中心の熾烈な競争に追い込んでいるだけで、全人教育は後手に回っている。未来社会の主役を、人間性と道徳心が麻痺したモンスターのような存在にしないためにも、今から韓国社会が何をすべきか真剣に考えるべき時が来た。