月に行き、人工知能(AI)を作っても、人間の体は石器時代をさ迷っている。200万年の間、人類は動物を狩猟したり、他の動物が食べ残した肉を食べて栄養を摂取した。肉がない時は実や根を食べた。甘いものは果物が唯一で、得ることが難しかった。それでも狩猟採集生活をした旧石器時代の人類は、農業革命後の人類よりも健康で、平均寿命も長かったと、話題作『ホモ・サピエンス:人類の歴史』で著者のユヴァル・ノア・ハラリは指摘する。
◆甘みへの欲求は、人間の遺伝子に刻印されている。甘いものを食べれば腹もふくらむが、気分が良くなる。人類が果物や蜜ではなく甘さの成分を別に分離してからはあまり経っていない。約2500年前、人類はサトウキビで粗糖(精製していない砂糖)を得ることができたが、砂糖は金ほど貴重だった。1世紀前までは、砂糖は金持ちが食べることができる奢侈品で、一般家庭の砂糖入れには鍵がかけられていた。問題は、砂糖が水のようにありふれ、安くなったことから始まった。
◆甘みは脳の快楽中枢を刺激して気持ちを良くするセロトニンを分泌させる。女性の半数以上がセックスよりチョコレートを好むというアンケート調査結果もある。しかし、甘さの代価は想像以上だった。代謝症候群、心血管疾患、肥満の原因という点で、砂糖は万病の根源になった。さらに砂糖は、タバコやアルコールのように中毒性があり、断つことが難しい。ストレスを受ければ甘いものが食べたくなり、甘いものを断って頭痛や苛立ち、憂鬱感などが押し寄せてくれば中毒だ。
◆世界保健機関(WHO)と米食品医薬局(FDA)は、「砂糖など糖分摂取量は1日の熱量の10%を超えてはならない」と勧告する。その基準で見ると、多くの韓国人は中毒だ。2013年、韓国人の糖類摂取量は1日平均72.1グラムで、総熱量の14.7%を砂糖から得ている。政府が「砂糖との戦い」を宣言した。敵の見えない戦争だ。パン、菓子、アイスクリーム、シリアル、飲料水などの加工食品に多量の砂糖が入っているが、知らずに食べている。砂糖との戦いで勝利するには、加工食品の栄養表示から強化しなければならない。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






