Go to contents

米・イラン衝突の憂慮高まる…イラクから企業の撤収相次ぐ

米・イラン衝突の憂慮高まる…イラクから企業の撤収相次ぐ

Posted May. 20, 2019 07:54,   

Updated May. 20, 2019 07:54

한국어

米国とイランの緊張の高揚で、米連邦航空局(FAA)が16日、ペルシャ海域を運航する民間航空機に対する安全注意報を発令したと、AP通信など米メディアが18日、報じた。隣のイラク、バーレーンなどからも外国企業や現地の自国民の退避が相次ぎ、中東の軍事的緊張感が高まっている。このような中、イラン政策を総括する米外交安保分野の2大指令塔であるポンペオ米国務長官とボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)の対立も可視化し、中東をめぐる政策の行方を懸念する声が出ている。

● FAA「民間航空機注意」・・・退避の動きも可視化

AP通信によると、FAAは、米政府が航空機の安全運航に関して業界に伝える通知文「ノータム(NOTAM)」を通じて、「ペルシャ海およびオマン海の上空を飛行するすべての民航機は高まる軍事行為と政治的緊張に留意しなければならない」と警告した。また、「潜在的錯誤および誤認で米民間航空の運航に対する意図せぬ危険が増えている。予期しない交信システムの撹乱などの恐れがある」との懸念も示した。アジアと欧州をつなぐ主な航路であり中東最大の空港であるアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ国際空港もこの地域に含まれている。

バーレーンとイラクからも退避の動きが可視化している。バーレーン政府は18日、不安定な地域情勢などを理由にイランとイラクに居住する自国民に直ちに撤収を指示した。両国への旅行も自制するよう促した。米石油大手のエクソンモバイルも同日、イラク南部のバスラ州の油田にいた職員50人全員を撤収させた。

欧州のアラビア語の新聞「アシャルク・アラウサトゥ」は同日、サウジアラビアを含めいくつかの湾岸諸国が、自国内の米軍配備を承認したと匿名の消息筋を通じて報じた。具体的な米軍の規模は分かっていない。現在、バーレーンには米第5艦隊、カタールには米空軍基地がある。

AFP通信も同日、サウジが中東の緊張高揚にめぐって話し合うために湾岸協力会議(GCC)およびアラブ連盟(AL)緊急会議を要請したと伝えた。イランの最大のライバルであるサウジは最近、自国の送油施設とタンカーが攻撃を受けると、この背後がイランであると疑っている。

●ボルトン氏とポンペオ氏の対立

米政治メディア「ポリティコ」は17日、対イラン政策をめぐるボルトン氏とポンペオ氏の対立が表面化したと伝えた。外交的解決を強調するポンペオ氏と「戦争も辞さない」とするボルトン氏の見解の違いが大きいと付け加えた。先月、米政府が韓国や日本など8ヵ国に対するイラン産原油禁輸の例外措置を延長するかどうかを決める時も、両者は鋭く対立した。国務省側は延長を推進したが、ボルトン氏側が「全面禁止」を主張し、最終的にボルトン氏の主張が通った。

同紙は、ボルトン氏が省庁の協議を経ず独自にトランプ米大統領と協議することにポンペオ氏が不満を抱いていると伝えた。特にボルトン氏がツイッターなどで敏感な外交政策を一方的に発表することにいら立っていると付け加えた。

ただし、トランプ氏が莫大な戦争費用などを理由に中東の緊張高揚やイランとの戦争の可能性に懸念を示し、ボルトン氏の今後の立場は弱まるという観測も流れている。CNNは17日、「大統領がボルトン氏ら強硬派の参謀にいら立っている。大統領が最近、ホワイトハウスの外の人々に電話をかけ、ボルトン氏に対する不満を述べた」と伝えた。


イ・ジョンウン記者 lightee@donga.com